A:マグロのサクを切る時は、マグロが完全に解凍された状態で切るよりも、若干芯が堅いくらいで切ることがポイントです。マグロの身が包丁にくっつき、切りづらくなってしまうからです。
B:天然南鮪の大トロ(ハラモ)には、他の鮪には無い太い骨があります。骨は包丁では切れませんので、そこをまず外します。骨の周りにも身が付いていますので、スプーンやステーキ用のナイフ等で剝きます。これがスキ身になります。
C:(スキ身)スプーンやナイフ等の薄くて頑丈なものを用意します。包丁などでも構いませんが手に馴染んで細かい作業ができるものが理想です。骨と骨の間に残っている身をかき出します。刺身に切るときに出た端っこの刺身にはならない部分等も細かくするとスキ身になり、大変美味しいです。
D:(へぎ切り)刺身に切る場合、基本はサクの右側から切ります。包丁の角度はまっすぐ垂直に切るのではなく、若干角度をサクの中央の方に倒し、切りながら垂直に戻すように切ります。この切り方をすることにより、刺身に切った鮪の角が立ち、きれいに盛り付けることができます。大トロ・中トロ等の脂があるサクについては、手前に赤身、奥に脂がくるようにまな板の上にサクを置きます。この時、鮪の筋が左下手前から右上奥になるように置くと、普通に置いた場合よりも切りやすくなり、切った後皿に盛るときにも美しく美味しそうに見えます。切った刺身はそのまま盛り皿に盛りつけます。
E:(そぎ切り)鉄火丼・カルパッチョ用に大きめに切る場合、基本はサクの左側から切ります。包丁の角度は切りたい大きさにより異なりますが、包丁の角度をサクの中央の方に倒し、そのままの角度で切ります。切り身はそのまま盛り付けるのではなく、一度皿に置き、鉄火丼でしたらご飯をよそった丼を用意したあとに盛り付けると仕上がりがとてもよくなり、美味しそうに見えます。